眼瞼下垂が原因で頭痛や肩こりになる恐れもある?
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眼瞼下垂の方には慢性の頭痛や肩こりを感じてる人が多くいらっしゃいます!
眼瞼下垂は、目の不調や顔立ちの変化以外にも、さまざまな症状の原因になることがあります。
例えば、慢性の頭痛や肩こりなどです。
実際に、眼瞼下垂の手術を受ける患者さんに術前に聞くと、頭痛、肩こりなどを感じている人が少なくありません。
しかし、当院で眼瞼下垂の手術を受けた患者さんにアンケートを取ると、手術前に感じていた頭痛、肩こりが手術後に改善したという人は非常にたくさんいらっしゃいます。
眼瞼下垂が頭痛や肩こりを引き起こしてしまう原因は?
眼瞼下垂になると、まぶたを上げられない為、眉毛を上げて無理に目を見開こうとします。
その為、額の筋肉である前頭筋(ぜんとうきん)を過度に緊張させていることが頭痛の原因です。
そして、肩こりはまぶたが重いので、あごを上げてまぶたを開かずに物をみてる人に起こります。
これも、首の後ろから背中の上部にかけての筋肉である僧帽筋(そうぼうきん)を常に緊張させていることが原因となります。

しかし、こうした代償作用は、ほとんど無意識で行っていることが多いです。
「視界が悪い」という情報が、感覚神経を通じて中枢神経に伝わると、その情報に対する反応として、運動神経が反射的に前頭筋を収縮させて眉毛を引き上げたり、あごを上げることで肩の僧帽筋を収縮させたりしているのです。

また、筋肉は、一カ所だけが独立して動くわけではなく、神経の働きを介して、全身の筋肉が連動して働いています。
自律神経系は、交感神経と副交感神経のバランスで、内臓や血管の動きをコントロールしています。
体を活発に動かすときは交感神経、リラックスしたときには副交感神経が優位になります。
私たちが何か作業をするために身構えると、交感神経の働きが高まり、全身の筋肉が緊張します。
実は、眼瞼拳筋を補助する「ミュラー筋」というまぶたの筋肉は、交感神経が支配しています。
眼瞼下垂になって、腱膜が瞼板からはずれると、この筋肉に負荷がかかるので交感神経が強く働き、全身の他の筋肉にも緊張が伝わります。
要するに、リラックスした状態とは逆の現象が起こるわけです。
この交感神経の緊張状態も、眼瞼下垂に伴う頭痛や肩こりの原因だと指摘されています。
「たかがまぶたの筋肉が?」と思ったかもしれませんが、まぶたへの負担は顔全体に及び、さらに全身にも関係しているということです。